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2025年04月21日
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たまやかぎや

2006年08月27日
6:15 そろそろ行くか。
今日は地元の花火大会だ。お祭りだ。
友達を誘ったが断わられた。どうやら家族と行くらしい。
いいさ、会場に行けば誰かとバッタリ会うだろう。
あわよくば混ぜてもらおう。

人込みに紛れながら会場に着いた。人込みは嫌いではない。
色んな人が居るから退屈しないのだ。
浴衣は風情があって良い。
へぇ、男の人の浴衣も多いな。

おっとゴメンよ、謝ることは忘れない。
祭り衣装の子どもは元気だなぁ。

何か買おうかな。
お、あの甚平イカす~。
あ、りんごあめ!祭りでしか見かけないレアアイテム!!
おっちゃん!1本おくれ。
…あれ! げ、オイラってば財布に金入れてなかった!
……りんごあめは買えるな。よし。
ふぅ、ココで金がなかったら赤っ恥だった。
あぶないあぶない。

お金を取りに一時帰宅。
千円で足りるかな?一応、2千円持って行くか。
……子どもの浴衣は強制じゃないよ、お母さん。

再び会場へ。
次はフランクフルトだい。
ちょっと列が長いな。

―――ドン…ドン……

胸が騒ぐ。花火が打ち上がった。
もうそんな時間だったのか。
チェ、ここからじゃ鉄橋がジャマでよく見えん。
早く列から抜けたいぃ。

やっと抜けた。
そしてこのフランクフルト。デカ!長!太!
これは食べ応えがありそうだ。
そしてそしてこの花火!
…キレイだ。
久しぶりに近くで見た気がする。

「キレイだね。」
「そうでもないよ。」
「なんでそう云うコト言うの!」
「だって花火にどんな仕掛けがされていても、コロコロ変わる君の表情より魅力を感じないんだもの。」
パチン!
甘~~~~~~~~~い!

なーんて、スピ-ドワゴンのギャグのマネ。
1人苦笑。寒過ぎ。
1人でバカやっても楽しくないんだよ。
一刻も早く誰かとぶつからねば。
あ、ごめんなさい。ぶつかりたいのはアナタじゃないんです。

とりあえず花火の近くに行ってみよう。
誰かと会う確率が上がるやもしれん。

―――ひゅ~~る~りぁ~~~ドン!ドドン!!…バラバラ……

「うわぁ、凄い音。これじゃ話す言葉が掻き消されそう…。」
「大丈夫だよ。どんなに花火の音が大きくても、どんなに喧騒がやかましくても、キミのコエは僕の心に届いているから。」
パチン!
甘~~~~~~~~~い!

2度もいらん!

うっわ、ここのカキ氷オイラが買ったのより安!
あ~、失敗…。
[シロップかけ放題]って書いてあったから全種類をかけたらキレイなトロピカルになったのは良かったんだけど…。
後のほうは緑か茶色か解らない色に生って砂糖の味しかしなくなったのは失敗……。
皆、カキ氷で無茶はダメだよ………。

まぁサイダーでも飲んで気分転換。
これも夏の風物。
――ビー球、綺麗だ……。
なぜか何時も取っておく。
ガラクタになるだけなのに……。

クレープを頬張り、花火を見ながら歩く。
ビー球が容器で揺れている。
次なるターゲットは何にしようかな?
わぁ、ぶつかった。ごめんなさい、よそ見してました。
睨まないでくださいよぉ。

ムムム、イカ焼き発見!なぬぅ、隣ではサザエが焼いているではないか。
イカ焼きよ、許せ。オイラはサザエを喰いたい。
いや、君も大好きだが懐の都合なんだ。
サザエ焼いてる店なんて滅多にないし。
というわけでサザエさ~ん♪オイラのお口にいらっしゃ~い♪
グニグニ、なかなかの歯応え。5つもイケるトコも魅力。
やっぱり激旨!屋台は違うね~。
ぶっちゃけ壺焼の方が好きだけどね!

ふと、花火の音で目覚める。
そうだ、オイラは誰かに会いにきたんだ。
友達、知り合い、顔見知り。誰でもいい。
予定は「誰かを探す」に変更。歩き回れ。

人・人・人……違う、ドコ見てる!
人・人・子ども・人・人・人・犬・人……。
これだけの混雑だ。友達を見つけるのは容易じゃないかもしれない。
友達なんてこの1000分の1にも満たないだろう。
どうする?とにかく歩け!

……見付からない、作戦は「定位置で待つ」に変更。
これで駄目ならもういい。

「止まらないでくださーい。」

すまんね、係の方。同じ所グルグルならいいでしょ。
…うぅん、歩き疲れてなんかないよ。全然平気。

ラストスパートがかかっているのがわかる。
大玉、仕掛け、次々に打ち上がる。
そういえば花火にも色々名前があって【柳】とか…。

「そろそろ花火大会終わりますー。」

人を探そう。

地表近くで飛沫みたいなのが散るのが見える。
切り口の粗いホースみたいだ。
口からピピピって……人を探せぇ!

ヤバい、ほとんどクライマックスの状態だ。
まだ終わらないで……。

―――ドバーーン!!!

「花火大会終了となりました。お気を…

もういい。
ただ空しい。誰かと花火を見たかった、楽しみたかった。
もう夏にイベントなんて無いな……思えば、花火の第一発は夏の終わりを告げるカウントダウンだったかなぁ……。
何か焦燥に駆られる感じがしてたから。
お祭りだから、皆同じかな……。

不意におしりにものを感じる。弄ると……

――ビー球

そういえば取っといたんだっけ?
ハハハ、毎年持って帰っちゃうんだよな。
「キレ~。」なんて思ってさ。
……どんなキレイなものも、何時かはガラクタになっちゃうのかな。

ガラクタにしたくない。
ギュッと握り締めポケットに仕舞う。
未だオイラはビー球をキレイだと思えている。
ガラクタになんかするもんか。
家にはたくさんビー球があるだろう。
いいさ、全部夏の思い出――――

走りたいと思った。
もう足は動いていた。
ワケの解らないものに動かされているような衝動。
何時もそうやって生きてんだ。

家に着く頃には全力だった。

「ただいまー。」
あ、焼き鳥あるじゃん☆いただき★

これを書いてる今、虫が鳴いてる。名前は知らないが。
蝉が啼いている限りは夏だ。
未だ終わってない。
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